今日は甘酒のお話しだよー
昔々丹波の山奥におはる婆さんが住んでいました。おはる婆さん長年神経痛
で苦しんでいましたのを、大神様に助けて頂いて熱心に信心しておりました。
ある2月のすごく寒い日のことでした。大神様の教師で鈴木千蔵と言う名の若
い先生がはるばる山越えて訪ねて来てくれました。おはる婆さん「若先生さま
今日は遠いところ来てくんなさって、誠にありがとうごぜいますだ！。こんな山
奥じゃ何にも御馳走はでけんが、温かいご飯と里芋のみそ汁で腹いっぱい食
べて行ってけれ。」千蔵先生「ありがとう、おなかぺこぺこや。 遠慮なくよばれ
ていきますよ。」土間へ降りて行ったおはる婆さん、おくどからお釜を下して
おひつへ湯気の立っているご飯を移し替え始めました。それを遠くから眺めて
いた千蔵先生、おはる婆さんの鼻から白く光るものが、ぽとんと落ちるのを
見てしまいました。千蔵先生思い出したように、「そうそう大神様からの急用を
思い出したけん、急がんと日が暮れてしまうので、ご飯は又よんでください。」
おはる婆さん「せっかく用意したので一口でも召し上がってけれ」「大神様に
叱られてしまうのでまたにするよ。ありがとう！」そう言って千蔵先生急いで
草鞋を履いて出て行ってしまった。
数日後、又こちらへ神様の用事で来たので、おはる婆さんの所へ寄りました。
おはる婆さん「先生さまこの前はせっかく用意したのに、ご飯を食べて行って
貰えなかったので、今日は美味しい甘酒をこしらえてあるので、飲んで行って
くんない。！」千蔵先生「あーいただくよ」
「うまいなあー なんとこの甘酒おいしいなー おかわりいいかねー」
おはる婆さん「どうぞどうぞ一杯あるけん、何杯でも飲んで行ってけれ、この前
先生にせっかく用意したご飯食べて行ってもらえんかったんで、そのご飯で
甘酒をいっぺいこしらえたけん、おかわりうんとしてけれ！。」 千蔵先生、後
のまつりでもうお腹のなかえ。「あへー」
おわり
