手紙 -天国の両親にー
おとっさん おっかさん トヨは百歳になりました 二人が見守っていてくれた おかげです
連れあいも そちらに逝って十八年 ひとり暮らしは きついけれど 多くの人に支えられて とても幸せ
健一も 元気ですよ 六十六歳になったの 私に詩作を教えてくれたの だから寂しくはないわ
おとっさん 焼酎ばかり 呑んでいてはダメよ おっかさん 働きすぎないでね
連れあいは どうしてます? 私のこと 心配してくれているかしら?
郵便配達の そよ風さんが 外で待ってるわ ペンを置きます
追伸
トヨはもう少し こちらで がんばります まだ 連れには 来ないでね